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感情世界ナノ
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囚われた時の中で 第4話「譲れない想い」後半

前半 https://appli-maker.jp/page_apps/115565 フィルがソーラァの元へと向かおうとするとーーー 「へぇ……じゃあ今度は私が貴女の邪魔をしてあげるわ」 背後から声がし、フィルは足を止め振り返る。 「! リーネ……起きていましたか」 「あれだけうるさかったら嫌でも起きるわ」 そこには傷を完全に癒したリーネがいた。 「リーネ……貴女が起きているということは……なるほど、貴女だったのですね? ソーラァさん達に提案したのは」 フィルはそう言いながら地面に刺さった剣を取り、構える。 「そうよ、実は私意外と早く目が覚めちゃってね。 いろいろ準備をしていたワケ、貴女に勝利する準備をね」 「なるほど、では早速見せてもらいましょうか。 見せる前に私が一撃で終わらせますけどね」 フィルは剣を引き、姿勢を低くする。 「ふん、できるものならやってごらんなさい」 リーネもステッキを構える。 2人はジッとお互いに警戒し動かない。 フィルは低い姿勢のままジッとリーネを観察する。 リーネの力を感じとってみたけど魔力や力は何も変わっていない……。 ただのハッタリか……それとも……。 とにかく戦ってみなきゃわからないよね。 まぁ一撃で倒すつもりだけど! フィルが先に動き一瞬でリーネに近づき、攻撃しようとするがーーー 「”撃ち放て”!」 リーネがそう言い放った瞬間、ステッキから「ホーリーオーバーストラール」が放たれる。 「なっーーー!?」 フィルは防御が間に合わずまともに受けてしまい、キラキラと光り輝く光線に飲み込まれ吹っ飛ばされ、やがて地を震わすほどの大爆発が起きる。 「どうかしら?私の魔法は。 貴女に通用しないものかしら?」 黒煙が晴れ、腕をクロスし防御したフィルの姿が現れる。 「……魔法の威力だけなら通用しますよ、魔王にもね……」 その姿は服がボロボロになり、体のあちこちが傷だらけになっていた。 さっきよりも魔法の威力が桁違いに跳ね上がっている……。 しかも詠唱なしでこの威力……! 天才ばっかで嫌になるよもう……!! 「ふふっ、何故詠唱なしでここまでの威力をって顔してるわね? 実はね、準備っていうのはこのステッキに詠唱済みの魔法を込めておいたのよ、20発分くらいね。 以前貴女が作ったブローチと同じ要領でやってみたら意外と成功しちゃって私もびっくりしたわ。 あ、ちなみにさっきのは5発分の魔法を合わせた魔法だから残りは15発よ?」 「わざわざ手の内を全て教えてくれるなんて……対策されても良いんですか?」 フィルはそう言いながら折れて使い物にならなくなった剣を捨てる。 「対策できないから話してるのよ、私は」 自信満々にリーネは言い放った。 「確かに……”今の私”では貴女の魔法に太刀打ち出来ないかもしれませんね。 魔法では5発分のホーリーオーバーストラールの威力に勝る魔法はありませんし、剣もなく武術ではリーチ差でこっちの方が圧倒的不利です。 魔法で武器を作ろうにもソーラァさんのアレを打ち消すことを考えるなら無駄に魔力も消費できませんしね」 「でしょう?」 ふふんとリーネは得意げな顔をする。 「ですが……貴女に対抗できる手段がひとつだけ、あります。 私はあまり使いたくない手段ですが……」 フィルは嫌そうな顔をしながら右手に力を込める。 「何?やってみなさいよ。 私はフィルの力を全力で受け止めて全力でねじ伏せてみせるわ!」 リーネはステッキを再びフィルに向け、構える。 「精霊術……”大精霊アルメヒティヒ”よ……我が声に集いーーーあちち……!」 フィルが魔力を込めた右手を空に上げ詠唱を始めた瞬間、フィルの頬を見えない何かが炎で焼こうとし、フィルは慌ててその場から離れる。 「え……?何してるの……?」 リーネは呆然とする。 「あっ、ごめんなさい、ちょっと待ってください……!」 フィルはそう言って後ろを振り向き、コソコソと大精霊と話し始める。 「アルメヒティヒ様、お願いします……! 力を貸してください……! このままだと負けそうなんです……! え、そんなの知らないって……あの子達の未来を守る大事な勝負なんですよ……! ……くっ……ならこうしましょう……。 協力していただければ今度の休日私の半身を乗っ取ってもいいです……だから、ね……? ……はい、約束です……。 じゃあ力をお借りしますよ、アルメヒティヒ様」 フィルがコソコソと話しているところをリーネは見ていた。 ……フィルがまさか精霊術を使えるだなんてね。 うまく聞き取れなかったけど大精霊なんとかとか言ってたから四大大精霊の誰かってとこかしら。 四大大精霊はこの世界の根源そのものでありこの世界を最も簡単に滅ぼし生み出すことができる力を持つと言い伝えられている存在……聖神様とどちらが上なのかしら……一筋縄ではいかなさそうね……! ふふ、望むところだわ!大精霊より聖女であるこの私の方が優れているということを見せてあげる! リーネはそう思い気を昂らせていると、フィルが話しかけてきた。 「……お待たせしました、リーネ。 準備完了です」 「ッーーー!? フィル……貴女、その姿は……!」 フィルがこちらを向くとフィルの姿が変化しており、漆黒に染まり緩やかに写る紅い瞳がリーネを見ていた。 両目から下には雷のような黒い紋章が描かれており、純白の白髪は黒と白に分かれていた。 「これが精霊の力を借りた姿です。 この姿が一番精霊の力を発揮できるんですよ、代償も馬鹿にならないですが」 フィルはそう言いながら手から魔法で無機質な剣を作り出す。 「じゃあ早速その大精霊の力を見せてもらおうかしら!「解き放て」ッ!」 リーネは飛び上がりながら後退しつつ、ステッキから無数の光り輝く光線と刃をフィルに撃ち放つ。 迫り来る光線と刃にフィルは全く動かず息を整えーーー 「すぅ……はぁ……ふっ……!」 フィルは無数の光線と刃を息をするように最も簡単にくぐり抜けていく。 「ふふっ、流石ね。 じゃあこれならどう!?」 リーネはフィルが避けて行った無数の光線と刃を操りフィルの方へ引き寄せるがーーー 「なっ……!?」 「……無駄ですよ」 フィルは後ろを全く見ずに前後全ての攻撃を避け切っている。 「な、なんなのあの動きッ!?」 「大精霊アルメヒティヒの”眼は未来を見通す”ことができます。 私が使う場合は1秒先が限界ですが」 「反則級ねッ……!伝説に記されるだけのことはあるわッ……!だけど!」 リーネはステッキを天高く上げる。 「これならどうかしらッ!? ーー光司りし神よ ーー奇跡の軌跡を我が身に宿し ーーー写しだせ! ホーリーオーバーリプロダクション!」 リーネが詠唱を終えるとステッキが5つに増え、フィルを囲むようにステッキ達が陣形をとりーーー 「「撃ち放て」ッ!」 一斉にホーリーオーバーストラールを撃ち放つ。 「……なるほど、避ける隙間すら無くせば確かに未来が見えようと意味はありません。 ーーーが、相手が悪かったですね」 フィルは魔法剣を構え、横切りの構えをとる。 「貴女が相手しているのは大精霊アルメヒティヒですよっ……!」 フィルは紅く漆黒の力を解き放ち、剣に力を纏わせ勢いよく横切りで斬撃を撃ち放つ。 すると瞬く間にリーネが解き放った五つの「ホーリーオーバーストラール」とその前に放った「サンライト・ツァールロス」は爆発消滅し、黒煙の中から紅い漆黒の巨大な斬撃がリーネを襲った。 「これが大精霊の力……!まさに規格外ーーー!」 斬撃はリーネに直撃し、大爆発を起こす。 「ッーーーー………はぁッ……!はァッ……!!」 リーネに直撃したところを見た直後、フィルは突然苦しみ出し倒れる。 「や、やはり……1分くらいが限界ですかッ……」 フィルの目や髪は徐々に元に戻っていくが、手や足の震えが止まらない。 全身の筋肉が悲鳴を上げている。 大精霊の力を使った反動はかなり大きいものだった。 「はぁ……はぁ……分かっています……約束は守りますから……。 大精霊様は心配性ですね……」 フィルは少し落ち着きを取り戻し、大精霊と話しながらゆっくり立ち上がる。 「がふっ……!くっ……!」 立ち上がったフィルは上空を再び見上げると、黒煙が晴れボロボロになったリーネが現れた。 血まみれになった右腕はだらんと垂れ下がり、常人なら死んでいてもおかしくないほどの傷だ。 リーネはゆっくりと地上に降りる。 「……どうやら私の勝ちのようですね、リーネ」 「……まだ決めるのは早計よ、貴女だってあんなとてつもない力使って見た目よりボロボロじゃない」 「流石リーネですね……バレてましたか」 フィルはぎこちない笑みを浮かべる。 「貴女のことならなんだってわかるのよ、私は」 リーネは口元の血を拭きながら笑みを浮かべる。 ーーーと、笑って見たものはいいもののヤバいわねこの状況。 さっきのフィルの技に全魔力を使って防御したからもう空っぽの状態……私の全魔力を使ってこのダメージって何よあの力は……!反則よ反則! 回復もできない魔法もステッキなしじゃ撃てない……詠唱で込めた魔法は全部で残り8つ……。 リーネはフィルから更に後方にいるソーラァに目を向ける。 あんなにも溢れ出していた光り輝くエネルギーは一本の剣に全て集中し、刀身がキラキラと煌めき光り輝いていた。 あのエネルギーの強さからして……完成まで後5分くらいってとこかしら……。 エネルギー……そうだわ……! 「ふふっ、貴女に勝つ方法が閃いちゃったわ……私ったら天才ねっ……!」 リーネは不敵な笑みを浮かべる。 「……ほう……では全て防ぎ切ってあげましょう」 リーネに対してフィルは余裕のない真剣な表情で構える。 「今の貴女にできるものならやってみなさいよッ……!!!「解き放て」!」 リーネはサンライト・ツァールロスを撃ち放つ。 フィルは身構えるが無数の光り輝く光線と刃はフィルを通り過ぎ、フィルとリーネの周りを飛び交う。 「……!リーネ、一体何を……?」 「まだ終わりじゃないわよ!「拘束せよ」!」 行き交う光線や刃の周りをドーム状に覆うように黄金に輝く鎖が回る。 「これで貴女は逃げられない、ソーラァの元へ向かうこともできず、私に敗北するのよ……!」 ステッキをフィルに向けながらリーネは不敵な笑みを浮かべた。 「……リーネを倒せばこの魔法は消えます。 今にも倒れそうな貴女が私に勝てるとでも?」 「魔法の使えない貴女は私に近づいて攻撃しなきゃいけない、果たして貴女は私に近づくことができるのかしら?」 「できますよっ….…!」 フィルは走り出し、リーネに接近するが、リーネはステッキを振り周囲に飛び交う光線や刃でフィルに攻撃する。 「この程度の攻撃で足止めになるとでも?」 フィルは全て避け、更にスピードを上げリーネに近づいていく。 「じゃあこれならどうかしら?「撃ち放て」!」 リーネはフィルに向けてホーリーオーバーストラールを撃ち放つ。 「不意打ちでなければ当たりもしませんよ」 フィルはホーリーオーバーストラールを避けるがーーー ーー何かが擦れる音がした フィルは嫌な予感がし背後を見るとーーー ーーー避けたはずのホーリーオーバーストラールがこちらに向かってきていたのだ。 「ッーーー!?」 フィルはホーリーオーバーストラールを紙一重のところで避けたが、少し掠り頬を火傷する。 「くっ……!何故避けたはずのホーリーオーバーストラールがっ……! サンライトツァールロスと違って制御できないはずでは……!」 フィルは立ち止まり周囲を見渡す。 避けたホーリーオーバーストラールは覆われたホーリーチェーンにぶつかりズラされ方向転換していた。 「! 周囲を回転するように動き回る何重もの鎖がホーリーオーバーストラールの方向を変えていたんですね……!」 「そうよ、私の制御下にないどうくるかもわからない攻撃を、貴女は避けながら私の元まで来ることができるかしら?」 「できるできないじゃないやるんですよっ」 フィルは再び走り出し、リーネに接近する。 「「撃ち放て」」 リーネもすかさず更にホーリーオーバーストラールを撃ち放つ。 「ッ……!」 フィルは無数の光線を、刃を避け、ホーリーオーバーストラールを避け、更にもう1発のホーリーオーバーストラールを避ける。 そして避け切った後リーネに近づこうとすると、すかさず方向転換したホーリーオーバーストラールが来て全く接近する余裕がない。 「くっ……!ふっ……!」 フィルは汗をかき、息を切らし始めた。 「フィル、貴女の負けよ。 ケリをつけてあげるわ……!」 「撃ち放て」「撃ち放て」「撃ち放て」ッ!!」 「まだ3発も撃てるのですか……!?」 フィルは驚きながらもなんとか避ける。 くっ……全く近づくことができない……! 魔法を使えばなんとか出来る……けどこれ以上使えばソーラァの技を防ぎきれなくなる……! どうすれば……! フィルは考えながら避け続けるとある違和感に気づく。 「はぁ……はぁっ……! ……?」 ん……? 心なしかサンライトツァールロスの光線と刃が減っているような気がする……。 フィルは再び周囲を見渡すとほんの少しずつだが、サンライトツァールロスの光線と刃がホーリーオーバーストラールの光線に当たり吸収されているのに気づいた。 「……!」 これは……あの時のと一緒の現象……? ーーーーー 『私のことをお忘れなんじゃなくて?』 『ッーーー!リーネ……!』 リーネはステッキにオーバーライトスラッシュのエネルギーを吸収し、纏わせていた。 ソーラァの技を吸収してるッ……!? なにそれ私知らないッ!? 『私の魔力とソーラァの力……合わさったらどうなるかしらね? 受けてみなさい!更に魔力を上乗せしたオーバーライトスラッシュをッ!』 ーーーーー ソーラァの技をリーネが吸収できたように、リーネの魔法同士がぶつかり合い吸収されていってるんだ……! ということは最終的にはリーネの魔法の中で一番威力が高いホーリーオーバーストラールのみになるはず……! ソーラァの様子は鎖で覆われていて見えない……けど力を感じる限り後少なくとも3分くらいは残っているはずだ……。 残り3分で決着をつける……! 「ッ……!」 フィルはキッとした顔つきになり、周囲に動き回る魔法を更に感知し避け始める。 「! 目つきが変わった……! ……気づいたようね、この魔法の弱点を……!!」 「はぁ……!はぁ……!」 サンライトツァールロスの光線と刃がホーリーオーバーストラールに当たるように計算しながら避けていく。 光線と刃はホーリーオーバーストラールにどんどん吸収され、更にホーリーオーバーストラールが大きく威力を増していった。 フィルは素早く避け続けているとやがてサンライトツァールロスは全てホーリーオーバーストラールに吸収され、残るは5つのホーリーオーバーストラールだけとなった。 ーーー残り2分 「ぜぇっ……ぜぇっ……後5つ……! これならっ……!」 フィルはスタミナが限界を迎えているものの、気力だけで立っておりリーネに急接近する。 「これで終わりですっ……!」 「貴女がね……!」 「ッーーー!」 フィルが殴りかかろうとした瞬間ーーー 5つのホーリーオーバーストラールが魔力分解されリーネのステッキに戻る。 「「撃ち放て」ッ!!!」 リーネはそう言い5つのホーリーオーバーストラールとサンライトツァールロスを吸収した超ホーリーオーバーストラールをフィルに撃ち放った。 「二度は食らいませんッ……!!」 フィルは両手を突き出し受け流そうとするが、異常なまでの威力に押されリーネから距離を離されていた。 「ぐっ……!私は……私は……! 貴女達を巻き込みたくない……!! 非情にはなれない……! もう自分のせいで……大切なものを失いたくないんですッ……!!! くっ……!ううぅぅぅぅぅぅぅッ……!!!!!」 フィルは火事場の馬鹿力を出し、後方へ超ホーリーオーバーストラールを受け流す。 「ッ……!貴女の勝ちよフィル」 リーネは清々しい顔をしたまま動かない。 「はあぁぁぁぁぁぁっ……!!!!!」 「ごふゥ……!」 フィルは一瞬でリーネに近づき、渾身の力を込めてリーネの頬をぶん殴った。 「早く急がないと……!」 フィルはソーラァの方へ振り向こうとすると、手が何かに縛られる。 「……!」 数十センチほどしかないホーリーチェーンがフィルの左手首を縛っていた。 「ーーー”私と貴女の……勝負”は…… ……この試合は……私たちの……勝ちよッ……!」 そうリーネが話してる間に周囲を覆っていたホーリーチェーンの効果は切れ崩れていく。 「ーーーーーッ!まさかッ……!?」 フィルは後ろを振り向く。 ホーリーチェーンが崩れ去った先にはソーラァが技を完成させたところだった。 「何故こんなに早く……!はっ……!」 フィルは思い出した。 フィルは火事場の馬鹿力を出し、”後方へ超ホーリーオーバーストラールを受け流す” 今思い返せばおかしかった……! 後ろに受け流したならホーリーチェーンで方向転換する筈なのに、あのビリビリとひりつく熱気が感じられなかった……! リーネが私にやられる直前、鎖の一部分を解きホーリーオーバーストラールを抜けさせてソーラァの聖剣に吸収させたッ……! だから想定よりも早いんだッ……! まずいまずいまずいッ……! 早く防御に専念しなければ……! 「離しなさいッ……!」 「は……はなす……もんですか……!」 「くっ……!」 さっきのホーリーオーバーストラールを受け止めた影響でフィルの体は麻痺し力が発揮できずにいた。 リーネはフィルの体に力の限りしがみつく。 「ッ……!ソーラァ……!!!撃ちなさい……!!!速、くッ……!!!!!」 リーネは声を振り絞り大声でソーラァに言う。 「ああ……わかってるぜ……。 アタシ達の作り上げたこの技……受けてみやがれッ……!!!!!」 ソーラァは聖剣の構えを変え、投擲の構えをしーーーー 「「聖奥技」ッ……!!!インフィニティスヴィエェェェェェェェェトッ!!!!!!」 フィルにありったけの力を込めキラキラと静かに輝きを放つ聖剣を投げ撃つ。 「ッ……!!くっ……!」 魔力は残してあるとはいえ今の私で受け切れるかッ……!! 本来は接近して相手を切り裂く技だけど、ソーラァは自身の体力と距離のことを考えてか聖剣を投げてきた……! これならかわせばなんとでもなるけど……私の体はリーネにしがみつかれて身動きが取れない。 こうして考えている間にも聖剣は私に近づいてくる。 こうなったら……体が持ってくれるかはわからないけど……賭けに出るしかないッ……!! 「大精霊アルメヒティヒよ……!私の半身じゃなくて体を上げますから力を貸してくださいッ……!」 「貴女……まさか……!その、体で……!?」 大精霊は了承したのかフィルの姿が変わっていく。 ーーー1秒 「くっ……!やらせないわよ……!」 「ふっ……!」 「かはっ……!?」 フィルはリーネの拘束を振り解き、リーネを回し蹴りで吹っ飛ばす。 ーーー3秒 その間にも聖剣はかわせない距離まで迫っており、フィルを貫こうとするがーーー 「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ……!!!!!」 大精霊の力を借りたフィルに両手で抑えられる。 フィルはそのまま聖剣に篭った力をなくそうとするがーーー ーーー5秒 「ごふっ……!?」 フィルの体は大精霊の力に耐えきれず強制解除される。 「ッ……!くうぅぅぅぅぅぅぅ……!!!」 フィルは吐血しながらも力は緩めず、魔力をフルに使い強化魔法を自身にかける。 しかし大精霊の力で多少聖剣の力を弱めたとは言え、今のフィルにとっては驚異的すぎるほどだ。 「ぐぐっ……!これならっ……どうですかッ……!!!」 フィルは更に自身の生命力を使い、魔法を更に強化しーーーー 「ッーーーーー!!う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!!!!」 ーーー聖剣を遠くへと投げ飛ばした。 投げ飛ばした聖剣は結界を壊し、更に遥か彼方へと飛んでいく。 「がはっ……!?……はぁ……!!はぁ……!!」 フィルは膝を突き、息を切らす。 受け止めた両腕は強化魔法をかけてもズタボロになるほど。 あの技の威力がとてつもなく恐ろしいことがよくわかる。 「はは……マジかよ……アタシ達の渾身の一撃を防ぎやがった……!」 ソーラァは膝をつくフィルをゆっくりと歩を進めながら見ていた。 「後は……ッ……ソーラァ、さん……だけです……。 あの技は……使用者の全エネルギー……を……使い撃ち放つ技……今の貴女には……はぁ……もう戦う力は残っていないでしょう……」 2人は互いにゆっくりと歩を進めていく。 「よく知ってるじゃねえか……アタシはリーネが教えてくれるまで知らなかったのによ……」 やがて2人はお互いの攻撃が届く範囲まで近づいた。 「これで……本当に最後です……恨みっこは無しですよ……」 「ああ……いくぜッ……!フィル……!」 「ソーラァさん……!」 2人は互いに拳を勢いよく突き出し殴り合う。 「ぐっ……!」 「がっ……!」 2人はお互いの頬を殴り、先に倒れたのはーーー ソーラァだった。 「ッ……!うッ……!」 ソーラァは倒れる直前、フィルに右手を出し何かを掴もうとするが、右手は空を切りそのままソーラァは倒れた。 「この勝負、私の勝ちです……」 これで、ソーラァ達を巻き込まずに済む……。 良かったーーー フィルが安心した瞬間、何か鈍い音が聞こえた。 ーーー何かを貫くような。 「ーーーーえ……?」 フィルは自分の腹部を見ると、聖剣が貫いていた。 貫かれた腹部は真っ赤な血で染めていく。 「ーーーーあ……」 ーーー ソーラァは倒れる直前、フィルに”右手を出し何かを掴もう”とするが、右手は空を切りそのままソーラァは倒れた。 ーーー ーーーアレは私をつかもうとしていたんじゃなくて 『聖剣よッ……!帰ってこい……!』 ーーー聖剣を呼ぶために手を出したのか……! はは……これは負けたよ……認めるしかない……。 これはどう誰が見てもーーー 「か、完敗……です……私の……ま……け……」 そう言いながらフィルは倒れた。 「へ……へ……アタシ達の……勝ち……だぜッ……」 ソーラァもそう言って笑いながら気絶した。 ーーー ーー ー 「ん……ぅ……?」 それから数分が経ちアリアが目覚める。 「……あれ……私……はっ……!」 アリアは急いで起き上がり状況を確認すると、リーネとソーラァとフィルが倒れていた。 「ええ〜〜ッ!!?みんなボロボロ!? これどっちが勝ったの!?ーーってそんなこと考えてる場合じゃない! え、あっ、ちょっと!?だ、だれかーーっ!?助けてーーっ!?おーーいっ!?」 アリアは3人を軽々と担ぎながら城にいるもの達に助けを求め駆け出していった。 ーーー 次回へ続く。

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