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アナザーズxファンタジア【三章過去編】 第2話「終わりの始まり」

「私が魔王を倒してあげる。」 獣は無表情を貫いたまま言い放った。 「…ほ、ホントに…?」 半信半疑で少女は聞き返す。 「うん、魔王ごときせ…いや、魔獣の私にかかれば楽勝よ」 そう言いながら獣は手を差し伸べる。 「あ、ありがとう…」 少女はその手を握り、立ち上がる。 「で、その魔王はどこにいるの?」 獣は早速魔王を倒そうと居場所を聞く。 「…わかんない」 少女はまた俯き、顔を暗くした。 「わかんない…か。じゃ、旅をしましょ」 獣は少し困ったような顔をし、少し考えて結論を出す。 「旅…?」 少女は一瞬理解できず聞き返してしまった。 「そう、旅。私は旅をしてもっと人間というものを知る、貴女は魔王を倒し、鍵を手に入れ解放される。まぁ、私が倒すんだけどね」 「え、でもそこまで…」 「貴女がいい人間かどうかも更に見極めなければならない。すぐに判断し、結論を出すのは愚か者のすることよ」 「貴女は旅を素直に楽しめばいい。 今まで悲しんだ分、笑えばいいの」 「笑っていいの…?私が…」 「笑っていい、笑っちゃいけない世界なら私が滅ぼしてあげる。だから貴女は自信を持って胸を張って笑えばいいの」 「…ありがとう…」 少女はグスッと泣きながら獣に礼を言う。 「…どういたしまして」 獣も少し微笑む。 惨殺死体があちこちにころがり、漏れた松明の火が死体に移り燃え上がっていく中、少女は獣の胸へ寄り添い、グスグスと泣いていた。 ーーー数十分後 落ち着いた2人は火を鎮火させ、獣は少女を屋敷へと連れ戻ってきた。 「ここが私の家」 獣は崩れ去った屋敷の破片を拾い上げながら言う。 「崩れてます…ね」 少女は何を言えばわからなく、とりあえず感想を言った。 「敬語はいらない、私達はそういう関係ではないのだから」 獣は破片を投げ捨て、少女を見ていう。 「ご、ごめんなさい…」 少女はすぐ謝り、俯いてしまう。 「謝らなくていい、今日はもう夜だから寝よう。」 「…ね、寝るの?こんなところで…。 …今にも上から崩れてきそうで、怖くてねれないよ…」 少女はボロボロの屋敷を見上げながら言った。 「…ちょっと待って」 獣は屋敷の方へ向き、自然の力で瞬く間に屋敷を立て直していく。 「わぁぁ…!すごい…!」 少女も屋敷が直っていく様を見てキラキラと目を輝かせる。 「ん、できた。さ、いきましょう」 「え、あ」 獣は少女の手を引き、屋敷の扉を開け中へと入る。 ガチャ キィィ…。 「き、綺麗…」 「作り直したばかりだからね」 2人は奥へと進み、寝室であろう部屋へと入る。 中にはベッドと何もないガラ空きの本棚が置いてあった。 「じゃ、おやすみ」 獣はベッドに倒れこむとスヤスヤと寝る。 「え、えぇ…!?ね、寝つきがはやい…」 少女は驚きながらもベッドに恐る恐る座る。 ボフッ 「〜!」 少女はベッドの柔らかさに驚きを隠せず、何度もボフッボフッと立ちっては座り、立ちっては座りを繰り返している。 「うぅ…初めてだよぉ…こんな布団」 少女があまりの感動に嬉し泣きをしていると 「楽しい?」 獣が寝転がりながらこちらを見ていた。 「ひゃいっ!?いつから起きてたの…!?」 「『え、えぇ…!?寝つきがはやい…』から」 「それって寝てないってことだよね…!?」 少女は驚きながら獣に言う。 「ふふっ」 獣は起き上がり、笑った。 「な、何がおかしいの?」 「いえ、貴女も少しは砕けたなと」 聖獣はそう言いながら微笑んだ。 「…!」 少女は自分に驚いた。 「…ねぇ、貴女名前は?」 「え…私の名前…」 少女は名前を聞かれた瞬間、焦りが顔にでる。 獣は焦った少女の様子を見て。 「貴女…名前がないの?」 「…うん、ないの。生まれた時から一人で…」 少女は俯いてしまう。 「…うつむかないで」 獣はベッドから立ち上がり、少女の顔を上げさせる。 「…?」 「私がつけてあげる、貴女に名前を」 「…あなたが…?」 「今からあなたの名は…ー 「サナ・シャイヴィス」 「…サナ・シャイヴィス……サナ・シャイヴィス…」 少女は何度も獣が言った言葉を繰り返している。 「サナ…?」 獣はずっと名前を繰り返し言っているサナを不思議に思い、話しかける。 「…ふぇ…!?…な、なに?」 サナはビクッとし、獣の顔を急いで見る。 「どうしたの?さっきから名前を繰り返してて」 「え、あ…そ、そんなに言ってた…?」 「言ってた、62回も」 「そ、そんなに…!?」 少女は自身の言っていた回数に驚き、なんとか話題を逸らそうとする。 「あ、あなたの名前はなんて言うの?」 「私の名前?…地形の獣と呼ばれていた。」 「地形の獣?」 「…神の使いみたいなものだと思えばいい」 「へー…って神の使い…!?偉い人なの…!?」 「もう私はそのような存在では無くなった。 だからあなたと私は対等な関係よ」 獣は少し悲しそうな表情をする。 サナは空気を変えようとなんとかしようとする。 「…あ、でも獣さんって呼ぶのもおかしいし…あなたに名前つけてもらったから、私もあなたに名前つけていいかな?」 サナは笑って獣を見る。 「…いいよ」 「えっと…じゃあ、自然と木を合わせて…ー 「リフヒラ・ルフォール…とかどうかな?」 チラッと獣の様子を伺いながら、サナは言った。 「…リフヒラ・ルフォール…。いいと思う」 「じゃあ今から私はリフヒラ・ルフォール。よろしくね、サナ」 リフヒラは微笑みながら、手を差し出す。 「…うんっ…!よろしくね、リフヒラ…!」 サナもその手を受け取り、握手する。 こうして長いようで短い夜は幕を閉じた。 ーーー ーー ー 次回「二人の世界が始まる時」

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