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ほうき(制作停止中)
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【頭の中の数多の妄想】 ←サブタイトルは日食月食同時発生事件にしようかな。 その四

「う、ん……。」 魔法陣に飛び込んだラストが目覚めた場所は、とても暗い通路だった。 後ろを振り向くと、そこには光の輪が見られ、ラストは『これに触れたらもとの場所に戻れる』と確信した。 「さて、と。じゃあ進んでみようかな!」 そして、G大陸へと移動するため道を進み始めた。 異世界といえどもとてつもなく長い。 ラストは疲れかけていた。 先は見えないし後ももうなにも見えない。 「それにしても、なに?この黒い生物は!」 そして何よりも、先程から黒くて小さな謎の生物が次々とあらわれ、ラストの体力を消耗させていた。 何故かは分からないがこの生物、ラストに群がり攻撃してくるのだ。 「はあ…はあ…。もう無理…。 ちょっと休憩しよう。」 謎の生物に疲弊したラストは、その場に座り込み、背嚢からお茶を取り出した。 次に魔法のアイテムを使い、他の者が入れなくなるような結界を作った。 「ああ、このお茶美味しいな〜。 やっぱりムーンさんのところの食材っていいよなー。」 異世界に入っても大胆にお茶を飲める肝の大きいラストは、黒い生物が増えているにも関わらず予め持ってきた茶を飲み、団子を食べながらゆっくりとしている。 しかしこのアイテムによって作り出された結界はそれなりに頑丈のようで、黒い生物がラストへの進路を邪魔する結界を壊そうとするが、少し増えたくらいではヒビすら入らない。 「でも、問題はこれをどうするか、なんだよね…。 ………あ!確かこの前ムーンさんのところで買った食材の中に強烈なものがあったはず!」 ラストは増え続ける黒い生物の対処方法を考え、背嚢を漁る。 ゴソゴソと音がなるほどではないが、それでも急いで小瓶を取り出す。 「あった!デス調味料!」 デス調味料とは、ラストの村の料理屋で売っている、そこそこ危険な唐辛子のことである。 普通に味にアクセントをつけるときに使用できるが、何と言ってもアクセントが強すぎて口に運んだ者に過酷な試練を与えるのが特徴である。 「これを使えば、敵を一網打尽できるはず!」 ラストは瓶の蓋を開け、黒い生物達にデス調味料を振りかける。 『!? ah!アヅ❣イダニ❢』 それまで無言を貫いていた生物たちが、デス調味料に触れた瞬間、謎の言葉を発して次々と倒れていく。 数分で100匹ほどの生物は全て倒れた。 「ふう、うまくいった!」 恐るべしデス調味料パワーである。 こんなものを食卓に並べて良いのだろうか…? 謎の生物も現れなくなり、順調に足を進めていたラスト。 やがて大きい部屋にたどり着く。 「お、大広間だ!ここから色んなところへの通路に行けるのかな? ……だとしたら、またたくさん歩くことになるんだよね…。」 通路でここまで来たように、目的地までの通路がこの中にあると思ったラストは、これからまたいっぱい歩くことになるのだろうと、気を重くする。 そして不意に謎の声が聞こえる。 『俺の手下を倒すとは、やるじゃないか。』 その言葉には、少し怒りがこもっているように感じられた。 「だ、誰!?」 自分以外に誰もいるはずのなかった広場から突然聞こえた声に、ラストは驚く。 やがて黒い粒子がそこら中から集まり、人の形をとる。 しばらくして粒子が完全にとまると、内側には誰もいなかったはずなのに、中に一人の人物がたっていた。 その人物は髪の色など、身体の毛の色が全体的に暗い。 黒髪黒目というのはあまり見かけないが、一体どこの出身の者なのだろうか。 「俺だよ、俺。」 開口した次に出た言葉がこれである。 新手の詐欺だろうか? 「俺…って言われてもよくわからないから、名前と、あなたが何者なのか教えてくれない?」 「良いだろう。特別に教えてやる。 俺の名は『ロメル セラニナ』。 この隔離世界に棄てられた無数の負の感情と、それを制御させるためのハイブリッド人型生物が合体した結果生まれた生命体だ。」 この人物の名前はロメルというらしい。 「ふ、負の感情? それに、ロメルって、なんだか独特の響きだね。」 ラストはロメルという名前の斬新さに驚いたようだが、 「ふん。あいつのネーミングセンスに期待なんてしてねえ。どうせテキトーにつけた名前に決まっている。」 ロメル自身はその名前、そして名付け親に呆れているようだ。 「それじゃあ、質問、いいかな?」 「ああ、いいだろう。なんだ?」 「隔離世界に棄てられた負の感情について 手下というのは道中にいた黒い生物のことだろうが、何故襲わせたのか わざわざ目の前に現れて、一体何がしたいのか これについて教えてくれる?」 ラストは隔離世界に棄てられたという負の感情について、 そしてロメルの手下が襲ってきたことについて疑問を抱いたようだ。 「隔離世界に棄てられた負の感情について あっちの世界には行き場のない怒り、非業の死を遂げたことによる無念、恋人を奪われたことによる悲しみなど、様々な負の感情がある。 ある程度強くなったそれらの感情は、時として人々を襲う怪物となり、時として人々を諸々に陥れる雰囲気を作り出す。 だから民間人に被害が及ばないよう、創造神はこれらの感情をどこかに廃棄するつもりでいたんだ。 都合の良い隔離世界を見つけ、そこに廃棄したはいいが、それだけじゃあここを通る人に迷惑がかかる。 だから負の感情を溜め込み、制御させるために人型生命体を生贄に捧げたんだ。 手下というのは道中にいた黒い生物のことだろうが、何故襲わせたのか あいつらは細かくした負の感情。 近くを通った奴に叩きつけることで相手を倒せばその分恨みが晴れる。 負ければ負けたでしばらく何もできなくなるからな。 俺にとってはどっちに転んでも得ってわけだ。だから襲わせた。 わざわざ目の前に現れて、一体何がしたいのか 戦って負の感情を浄化させる。 ただでさえ鬱憤が溜まってるし、暇つぶしにここらへんの奴を襲えば迷惑がかかる。 ここに負の感情を廃棄した上にその管理を押し付けやがったクソ神にざまあみろって言うのが主な目的だ。」 ロメルは一気に全ての質問に答えた。 そしてその答えを聞いてラストは二つの結論にたどり着く。 『かちかなが言ってた危険なやつとは、目の前のこの人物であること』。 そして『創造神は意外とアホの子であること』。 「うん、質問に答えてくれてありがとう。 …………あれ?ってことは…。 このまま戦闘することになるの?」 「ああ、そうだ。」 「まあ、負の感情が浄化されるなら戦闘してもいいか!」 「察しが良くて助かるな。 という訳で、遠慮なく行かせてもらう。 『交差レーザービーム』!」 ロメルが技名を発する。 すると、ラストの周りに6つの飛行体があらわれ、上下左右前後に散らばった。 そして一寸の狂いもなくレーザービームの狙いをつける。 「うわあ!何これ!避けられないじゃん!」 「大丈夫だ。予告線は出してやる。」 完全な包囲で避けられないと怒るラストとどこに放つかは事前に線で示すから問題ないと受け流すロメル。 彼の言うことは間違っていないようで、何回かするとラストも簡単に避けられるようになってきた。 そしてレーザーの発射準備に気を入れて無防備な状態のロメルを叩く。 「隙あり!相手の動向にも注意しないとすぐにやられるよ!」 ラストがダメージを与えたことで集中を乱したロメルはレーザーを誤爆させてしまい、自分がダメージを負った。 髪色が少し明るくなったような気もする。 「ほう、なるほど。なら、これはどうだ?『加速結界』」 しかし戦闘にはそこそこ慣れているようで、すぐに次の技を発動させる。 浮遊することで攻撃を当てにくくすると同時に、ラストの周辺に大量の弾を出現させる。 どうやら特別な動きをするようで、近くを人が通ると加速するようだ。 そんな弾がラストの周辺にたくさん出現し、ラストの動きを翻弄する。 今度はロメル自身も弾の追加を行いつつ、こまめに移動している。 先程のように攻撃に集中して棒立ちになっているところを狙うのは難しいだろう。 「周りにはたくさんの弾があって、近づいたら加速する…。なら吹き飛ばしちゃえばいいよね。 よし!」 ラストはまた背嚢を漁る。しかしその間にも弾はゆっくりと近づいてくる。 このままだと至近距離で隙間のない弾幕を受けることになるが、吹き飛ばしてしまえばいい、と考えているようなので心配は無用だろう。 「超高級ドライヤー。 これでここらへんの弾を全て跳ね返す。 これなら空中の相手にも効くはず!」 超高級ドライヤーとは、強力な温風を吹かせられるドライヤー型のアイテムだ。 戦闘に使うと充電が難しいため基本的に使い捨てだ。高級なのに。 「ほう。風で弾を跳ね返すとは、考えたな。 これ位のダメージなら耐えられる。 が、これ以上弾を増やしても、跳ね返されるだけだな。別の方法で攻撃するとしよう。」 相手の動きをよく観察していたロメルは、風で弾を跳ね返すという発想を賞賛する。 そしてこれ以上弾を増やすのは悪手だと判断し、武器を持ち替える。 「これなら耐えられまい。この『巨大ローラー』で押しつぶしてやる。」 地面をならすためのローラーを持ち、ラストに近づく。 こんなもので殴られたらひとたまりもないだろう。 「でかい!でも重いんだろうね。攻撃がわかりやすいよ!」  「なっ!」 しかし重量故に動作が非常にもっさりとしていたため、楽々と避けられ、そのまま刃物の攻撃を受け続けた結果、ロメルはあっさりと敗北してしまった。 「だめだったかー。 やっぱり力つけないとな。」 大の字で反省するロメル。 いつの間にか髪色が、白に近い色になっている。 「軽い武器の方が取り扱いやすいよ。」 ラストは重いものより軽いもののほうがいいと言う。 「うん。次からは軽量ローラーも使ってみるよ。」 しかし気のせいだろうか? 髪色が黒いときよりものんびりした口調になっているような気がする。 「…ところで、さっきと雰囲気が違うような…?」 ラストもそれを不思議に思ったのだろう。 ロメルは答えた。 それは溜め込まれていた負の感情が発散させたことに由来する、と。 元々この状態が素だが、怒りを受けることでたまに暴走してしまうと。 一体どういう仕組みなのだろう。後でこっそり聞いてみよう。 「バトルに付き合ってくれてありがとうね。 おかげでスッキリしたよ。少ないかもしれないけど、これお礼ね。」 笑顔で礼を言い、ラストに何かを手渡す。 「これは…爆弾?」 「導火線のようなものを引っ張れば爆発が起こって、周りのものを吹き飛ばせるよ。」 「う、うん。ありがとう。」 渡されたものは爆発だったみたいだ。 ラストは驚いた。 「…ところで、G大陸の神社に繋がってる道はどれかな?」 落ち着いたときに、どこが目的地への道か分からないのに気づき、聞いたラスト。 「う~んと、これかな。」 ロメルは一つの道を指す。 「うん、ありがとう!じゃあ、そろそろ行くね。 またね!」 「こっちもありがとう。また会えるといいね。」 ラストはその道に入り、走った。 行きと同じように長い道に疲れて、次第に速度を落とすが、ついに光の輪を見つける。 「やった!やっとついた…!あとはこれに触れば神社に行けるんだよね!」 息を吐きながら少しずつ近づくラスト。 「最後にもう一度荷物の確認をしておこう。」 忘れ物はないかと、背嚢を確認する。 「よし、それじゃ行こう!」 そして忘れ物がないことを確認したラストは、光の輪に触れた。

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